- 2009年9月10日 14:56
スタート時は、期待する声もあったようにも思いますが、制度の概要が理解され、解説書もぼちぼちと出版されるようになると・・「これでは、使えない!」「最初はこんなものです。改正を重ねて、税効果も使い勝手も良くなるはず。」などなどのご意見のある"経営承継円滑化法"と"事業承継税制"について、解説を加えていきたいと考えています。財務省は、苦しい財政の中で"使い勝手も良く"そして"節税効果も大きい""事業承継税制"などつくるはずがない・・・というのが私の考えです。制度を検証しながら、その点も確認していきたいと思います。
■雇用の継続維持、80%以上
事業承継税制を適用する場合には、相続の開始前(通常は、大株主である前社長の死亡前)に経済産業大臣から経営承継円滑化法に基づく書類を作成し、その確認を受けていなければなりません。そして、相続発生後の5年間は、雇用の維持しなければなりません。この場合の雇用の維持とは、相続開始の日に在職した従業員数の80%以上を雇用し続けることです。従業員数が10名の場合には8名以上を、9名の場合にも8名以上を(9名×80%=7.2名→8名)を維持することになります。この要件を欠くと、認定の取り消しとなります。納税猶予の適用を受けた相続税額と年3.6%で計算した利子税を納付しなければなりません。