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2009年6月 Archive

相続税法改正、「遺産取得課税方式」への移行

  • Posted by: 小湊 格
  • 2009年6月29日 11:43

平成21年度税制改正において、相続税の課税方式が、現行の「法定相続分課税方式」から「遺産取得課税方式」へ改正が行われる予定でしたが、選挙対策でしょうか(?)、改正が見送られました。二つの制度の相違点について、解説してみます。

■現行の「法定相続分課税方式」

特徴は、配偶者の軽減制度などの特例適用でありますが、納付すべき相続税額は、法定相続分により法定相続人が遺産を取得したと仮定して相続税の総額を算定します。そして、その相続税の総額を各人の取得した遺産の額で比例按分して、各人の納付する相続税額を算定する課税方式です。従いまして、各人の取得額で納付すべき相続税の総額に変動はありません。

 ■改正予定の「遺産取得課税方式」

改正予定とされていた「遺産取得方式」とは、その名称の通り、各人の取得した遺産額により、各人の相続税額を算出し、相続税を各人の責任において、納税する方式です。「法定相続分課税方式」のように全体の遺産額を把握する必要はありません。個人課税が行われると理解していただければ、宜しいのです。

■改正の趣旨と問題点

「遺産取得課税方式」への移行を主張する国税は、現行の「法定相続分課税方式」では、相続財産が増減するたびに、相続人全員の税額に移動が生じるので、制度の運用が煩雑であり、納税者の負担が大きいことを改正の理由に上げています。確かに、「遺産取得課税方式」は、相続財産に増減が生じたとしても、全員の相続税額を修正する必要はないので、その点では、納税者、国税とも、負担は軽減されます。

 しかし、累進税率を採用している限り、一人に遺産が集中した場合には、当然、その納税額が大きくなることが想定されます。また、財産分与においても、非課税とされる、相続人の基礎控除額に相当する財産分与を主張することも、容易に推測されます。課税方式が改正され、周知されるまでの期間は、幾分の混乱が生じる可能性もありそうです。

改正農地法成立、昭和27年制定以来の大改正

  • Posted by: 小湊 格
  • 2009年6月18日 11:33

 6月17日の参議院本会議で改正農地法が、与党、民主党の賛成多数で成立しました。施行は、本年12月の見通しです。改正農地法の施行により、相続税法の特例農地制度が、改正されることとなります。改正農地法が、今後の農業経営にも多大な影響を及ぼすことは、間違いないところです。同時に、相続税対策も、新しい視点からの対応が必要になります。

■改正された農地法のポイントです。

1.農地法の目的から「農地は農耕者みずからが所有が最も適当である」を削除。「国民に対する食糧の安定供給の確保に資することを目的とする。」が新たに付け加えられています。

2.企業が借りる農地を指定した区域に限る規制を撤廃しています。

3.企業の農業生産法人への出資規制を1社当たり10%以下から、50%未満に緩和しています。

4.借地期間を20年から50年に延長しています。

5.農地を借りる企業は、役員の1名以上が農業に専従しなければならない。

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